名古屋辻学園にて調理体験!
料理男子を目指して奮闘する中高生に密着取材!

昨今よく耳にする「料理男子」という言葉。時代の流れと共に価値観も変わり、料理は男性にとって“特別なもの”ではなく、一般的に身につけたいスキルとして広く認識されるようになりました。

今回はそんな時代を乗りこなすべく、料理男子を目指す中高生3人の調理体験に密着取材しました!

会場は名古屋辻学園調理師専門学校(西区)。伝統ある調理師学校の講師の方々にご協力いただきました。

今回料理男子を目指して挑戦する3人を紹介!

Name:加藤 廉(カトウ レン)
Age:13
好きな食べ物:ハンバーグ
これから作ってみたい料理:カレー

「家では目玉焼きやスクランブルエッグなど簡単な卵料理を作っています。料理をすることが好きです!」

Name:長谷川 翔一(ハセガワ ショウイチ)
Age:17
好きな食べ物:肉料理
これから作ってみたい料理:特になし

「食べることが大好きです。家では調味料を使って自分なりにアレンジをして楽しんでいますが、本格的な料理を教えてもらうことは初めてなので楽しみです。」

Name:竹内 蒼真(タケウチ ソウマ)
Age:12
好きな食べ物:そば粉クッキー
これから作ってみたい料理:サバの味噌煮

「料理番組を見ることが好きで自分もやってみたいと思っていましたが、お母さんがフルタイムで働いており、中々一緒にやる機会がありませんでした。今回とても楽しみにしていました!」

今回の講師を紹介!!

講師として教えていただいたのは日本料理専門の飯澤諒先生。
長きにわたり、公邸料理人としてグローバルに和食の魅力を世界に広めてきた実力派。

挑戦する「お料理」

今回のメインは「親子丼」。お味噌汁を美味しく作るコツや、日々の献立のもう一品に嬉しいほうれん草の胡麻和えもレクチャーいただきました。

レクチャー開始!!

まずは献立の確認。

一見シンプルなメニューですが、出汁の取り方や卵の溶き方、火入れのタイミングなど、料理の基礎が詰まっています。「基本を忠実に、丁寧に。」と語る飯澤先生の言葉に、3人とも改めてを引き締めた様子です。

まずは「ほうれん草の胡麻あえ」

胡麻をすり始めると、厨房には香ばしい匂いがふわりと広がります。「こんなに香りが違うんだ…」

3人とも、実際に体験することで、既製品との違いを実感することができました。

料理には手間暇をかけた工程が大事だということを体で学んでいます。

本格的な料理に取り組むのは今回が初めてだという加藤君。

家庭では中々出番のない大きなすり鉢に驚きながらも、上手に胡麻をすることができました。

続いては「お味噌汁」

続いてはお味噌汁。ポイントはお出汁の「追い鰹」。

一度とった出汁にさらに鰹節を加えることで、より立体的な旨味が生まれます。

火加減、タイミング、香りの見極め。プロの細やかな技術に3人とも魅了されています。

出汁だけでこんなに味が変わる和食の奥深さに、さらに関心を深める3人。
素材の味を最大限に引き出す考え方を学ぶことができました。

最後はメインの「親子丼」

最後はいよいよメインの親子丼です。卵の溶き方一つで仕上がりが大きく変わるこの料理。

軽くかきまぜた卵は2回に分けて回し入れます。
ポイントは混ぜ過ぎないこと、火を入れ過ぎないこと。半熟をしっかり見極めることが大切です。

フライパンの中でふわりと固まり始める卵を前に、3人の視線は一点に集中。

「これから自分も挑戦するのか…」と、少し緊張した面持ちを浮かべます。

調理開始

レクチャーを受けた後は早速調理開始です!

実習室には終始和やかな空気が流れていますが、包丁を握る3人の表情は自然と引き締まります。

笑顔もありつつ、いざ調理が始まると視線はしっかりとまな板へ。“自分でつくる一杯”への本気度が伝わってきます。

卵を割る場面では、1つ目で力加減を誤り思わず「あっ」と声が漏れる場面も。

すかさずお母さんからの指導が入ります。
2つ目は見事に成功し、はにかむような笑顔を見せてくれました。

最年長の長谷川君、学校でも調理経験のある彼は比較的スムーズな手つき。

それでも、鶏肉の大きさを揃えることや、卵を混ぜすぎないことなど、細かなポイントに直面すると真剣な表情に変わります。

料理愛が伝わるTシャツも気合十分!味のある良い背中です。

火入れの瞬間は、3人とも自然と鍋に視線が集中。

とはいえ、重苦しい緊張ではなく、「どうなるかな?」という期待を含んだまなざしです。

半熟に仕上がった卵がふんわりと広がると、思わず歓声が上がります。

実食

遂に完成!丼を手にした3人の顔には、達成感と少しの誇らしさがにじんでいました。

いつもお世話になっているお母さんと共にいただいていきます。

今回教えてもらったことを忠実に再現しつつ、それぞれの好みを反映させた三者三様の一杯が出来上がり!

完成した一杯を囲めば、親子の会話は自然と弾みます。会場には温かい雰囲気が広がっていました。

「こんなに美味しくできるとは!」

実際に食べたお母さんたちからは、想像以上の出来に感嘆の声が。
家庭で見慣れている姿とは違い、先生の指導を受けながら真剣に調理に取り組む様子を間近で見ていたからこそ、その完成度の高さに感心した様子です。

「味付けがしっかりしていて美味しい」「卵の火の通り方がちょうどいい」など、具体的な感想も次々と聞かれ、出来栄えの良さに笑顔が広がります。
特に、「家ではまだ任せきりにしていなかったけれど、これなら安心してお願いできそう」といった声からは、料理体験を通して子どもたちの成長を実感したことが伝わってきました。

子供たちが苦戦しながらも挑戦していく姿を目の当たりにし、直に成長を感じとれるまたとない機会となりました。

先生にインタビュー!!

最後に、今回の企画を担当していただいた飯澤先生に、日々の料理のことから料理人としての仕事、業界にまつわる様々なことまでお話をお伺いしました。

Q. 本日の献立(ほうれん草の胡麻和え、お味噌汁、親子丼)それぞれのポイントを教えてください。

ほうれん草の胡麻和えは家庭でも簡単にできるメニューですが、下味をつけておくことや、ニンジンを入れて彩りを出す、胡麻は直前でするなど細かい下準備を怠らないことが大事です。お味噌汁も、ただお出汁で味噌を溶くだけではなく、鰹節を入れてみるだとか、具材は炒めてから合わせるなどひと工夫があるだけで普段の味が少し特別なものになります。

親子丼も奥が深く、それこそそれだけで商売が成り立つような料理だと考えています。
卵の使い方一つにしても、卵黄の割合を増やしてみたり、濃口と薄口の醤油を割ったりだとか、色々な作り方の中から試行錯誤をして、自身の味覚に合うものを作ってみてほしいです。

Q. 昨今よく耳にする「料理男子」というワードについてはどうお考えですか?

飲食業界ではこれまで、体力を使う仕事というイメージもあり、男性料理人が多い世界でした。しかし最近は女性料理人も本当に増えてきて、厨房の雰囲気も少しずつ変わってきたと感じます。
その一方で、家庭では長い間、料理は女性が担うことが多かったと思いますが、今は「料理男子」というワードからも男性が普通に料理をする時代になってきました。

プロの世界では女性が増え、家庭では男性が増えている。料理を取り巻く風景がバランスよくなってきているのは、個人的にはとてもいい変化だなと思っています。

料理ができるようになると、外食の楽しみ方も変わりますし、日々の生活も少し豊かになります。性別に関係なく、料理に触れる人が増えていくのは素敵なことですよね。

Q. 幼少期から料理をすることで、教育や考え方にどのような影響を与えられると思いますか?

料理をすることで「継続することの面白さ」と「段取りの大事さ」を学ぶことができます。

まず、調理技術の上達には継続性が一番大事であると考えています。何かを継続することで上達する達成感や、一つのことに集中して物事を極めていく「道」的な面白さを学ぶことができると思います。

また、調理中は段取りが本当に大事になってきます。料理をしていく中で、この感覚を身に付けることにより、日常生活や勉強、仕事をしていく中でも優先順位をうまくつけられるようになると考えています。

Q. 料理に関する仕事に興味がある学生たちへアドバイスをお願いします。

料理を仕事にするということは、指先を使った技術や、自身の味覚を商売にするということです。つまり、先のことを考えてもAIにとってかわられるということは考えづらい、将来性のある仕事だと思っています。

個人の感性を活かすことができる魅力的な職業だと思いますので、是非目指してみてほしいです。

Q. 日常の献立を考える際に大切にしていることはありますか?

日常のご飯で大切なのは「頑張りすぎないこと」です。私もプロの料理人として仕事をしていますが、普段の生活では、ちょっと多めにつくって明日のお弁当にまわすだとか、既製品をうまく使ったりと、ちょっとした”楽”を見つけることが日々の料理を楽しみながらやっていくコツだと思います。

最後に

本人たちも、自分でイチからつくった美味しいごはんと最高のリアクションに大満足です。

自分で作った料理を「美味しい」と言ってもらえる喜びは、何よりの自信につながります。

終始和やかな雰囲気の中で進んだ今回の親子丼づくり。

調理技術だけでなく、「やってみたい」「次はもっと上手く作りたい」という気持ちが芽生えたことこそ、3人にとって最大の収穫だったのかもしれません。