野嵜 遥香さん
名城大学附属高等学校(以下、名城高校) 2年生
三重県出身
スキー部に所属
スポーツが得意
認定NPO法人カタリバが行っている活動の一つに「みんなのルールメイキング」というプロジェクトがあり、そこからきた言葉です。
校則をただ変えるというだけでなく、そのプロセスにこだわったもので、生徒が主体であるとか、みんなで話し合って考えるという要素が強く込められています。
他の学校には、委員会があったり、生徒会が動いているものがあったりと、ルールメイキングの活動から、様々な動きが生まれています。
ちなみに、名城高校に合ったものを模索したら、委員会が良いのではと感じて、今は委員会設立に向けて活動しています。
中学生の時に教頭先生からルールメイキングプロジェクトについて聞いたのがきっかけです。
通っていた中学校は、私服登校が許される期間があったり、男女共通の制服だったりと、かなり先進的な校則でした。
しかし、先進的だからこその課題もあり、学内での解決を目指しましたが、うまくいかず、そこでプロジェクトに参加することになりました。
初めて校則について他校の生徒と一緒に考える場に触れられて、とても良い経験になりました。
ルールは変えられるということを感じられた経験になりました。
中学校の校則がかなり先進的で、私自身もスラックスの制服を着用していました。
それが名城高校に入学すると「え、女子はスカートだけなの!?」と感じたのが最初の疑問でした。
先生に聞いたときに、歴史的、校則としてずっとこうだからと言われたのが印象的でした。
変えるのは難しいと感じたが、「もしかしたら他にも同じ思いの人がいるのでは?」と考え、仲間を作って、先生とは別の視点で、より良い学校にしていけたらと感じ、行動を始めました!
約2000人の生徒、約100人の先生、100年の歴史があるからこその校則だとも思うので、どう変えていくのが良いのかを考えるのが、私たちの課題と感じています。
先輩とルールメイキングサミットに参加したり、昨年、ルールメイキングについて考える授業を、自分のクラスで行ったりしました。今はルールメイキング委員会の設立に向けて動いています。
ルールメイキングサミットには当時生徒会に所属していた先輩と参加しました。
サミットには選ばれた100人しか参加できなく、頑張ってエントリーフォームを作成して、なんとか参加できました。
生徒の意見をどうやって集めているのかを質問したら、他校の生徒から、「グーグルフォームとかを活かしたらどうか」という意見をもらえました。
普段、ルールについて他校の生徒と真剣に話すことはないので、とても良い経験になりました。
授業は、ルールを変えられることを知ってもらうことをゴールにしました。
具体的には、名城高校の校則を、良いルールと改善すべきルールに仕分けをして、その理由を発表するという内容にしました。
思っていたよりも、クラスのみんながルールを変えたいという思いがあり、意見がいっぱい出てきて、とても刺激のある時間でしたね。
公開授業にして、いろんな先生に見てもらえるようにしたのですが、副校長先生や生徒指導部の先生など、多くの先生が見に来てくれたのが嬉しかったです。
参加した生徒からは、ルールを変えられると思うなどの、ポジティブな感想が出てきて、頑張った甲斐があったなと感じました!
授業を一緒にした緒方さんと、まずはルールメイキング委員会を作ろう!と、行動を始めた時に、どうやって仲間を見つけるかを、真っ先に考えました。
ちょうど彼女が昨年の生徒会選挙に立候補をしていたので、一緒に文章を考えて、選挙の時に熱い思いを語ってもらいました。
その時に同じく立候補をしていた古田さんが、生徒の声に耳を傾けて改革を目指したいと、とても共感できる演説をしていたので、すかさず声をかけて、仲間になってもらいました。
生徒会などを交えて、今は、同じ思いを持っていた人を中心に、委員会設立に向けた活動を行っています。
これからは、クラス代表が集まる委員会で声をかけられたらと考えています。
野嵜さんの話を聞いた時に、学校が良い方向に動いているなと感じました。
今まで校則を変えて欲しいという要望を受けて、生徒会で話し合いを行うこともありましたが、日々の業務や行事の対応で手一杯、任期も1年間しかない中で、なかなか取り組めずにいた歴史があります。
委員会が設立されることで、学校が生徒主導でより良くなっていくと考えていますが、一方で、例えば、制服は学校の象徴でもあるので、それらの歴史や文化と呼べるものを、校則を変えることで、それごと無くしてしまわないように気を付けたいとも思っています。
また、委員会は校則という大事な部分を担う場所になるので、そこを担う生徒がどう選ばれるべきかなどの、運営の方法はしっかり決めなくてはならないと考えています。
例えば生徒会執行部と同じように選挙制にして、「この人になら任せても大丈夫!」と、みんなからの信頼が形になるようにとかですね。
野嵜さんと同じように、どう変えるのが良いのかを一緒に考えていきたいです。
1年生のときに担任だった西田先生に当時のことを振り返ってもらいました。
「野嵜さんのやりたい気持ちを、具体的な活動につなげてさらに輝くようにという気持ちで応援してきました。
彼女の意欲と行動力は抜群ですので、将来的には組織や社会を動かせる存在になると期待して、活動を進める手順や配慮すべき点など話しながら、彼女主体で公開授業を展開しました。
野嵜さんのような社会的な問題にも目を向けられる生徒の姿を目の当たりのすることは、他の生徒だけでなく教員にとっても学びとなるので、今後も野嵜さんが思い切り活動できるような応援は必要だと考えております。」
1番のゴールは校則をより良いものにすることです。
でも、それまでのプロセスが大事なので、本当に変えるべき校則か?をみんなで考えていきたいと思っています。
変えたいからなんでも変えるではなく、変えるべきものを変えるべき形に変えることが大事です。
その過程で、変えるべきルールは変えられることをみんなに知って欲しいですね。
また、先生たちが中心に考えるのではなく、生徒と先生が一緒に考えて、より良い学校にみんなでしていけたらなと思っています。
そういった活動を通して、参加した生徒には、社会に出た時に、自分たちの置かれている環境とか、周りのルールが、自分に適したものかっていうのを自分で考えられるようになって欲しいし、私自身もそうなりたいと感じています。
「なんでだろう?」と疑問に思ったことを声に出すのは勇気がいるけれど、ぜひそれを声に出して欲しい。
自分が疑問に感じたことは、きっと周りにも疑問に感じている人がいて、それを声に出して、友達と共有し、仲間を作ることを大切にして欲しいです。
私もそれを大事にして、行動したから、今一緒に活動してくれている仲間がいます。
最初は難しいことだと思うけれど、なんでだろうを声に出して仲間を作ることを、これからしてみてください!