今回取材したのはこの人たち!

渡部 晃(わたべ ひかる) 
13歳 バーコードべース

平尾 宙詩(ひらお ゆうた) 
15歳 扇風琴

新谷 重人(しんたに しげと) 
15歳 テレナンデス

上田 千真(うえだ かずま) 
19歳 非常カンチキ

名古屋 Orchest-Labって?

僕たちは2021年から活動をしている、古家電を楽器にして演奏するグループです。

テレビや扇風機を改造して、独特の音楽を演奏するスタイルで、家電に新たな命を吹き込んでいます。

改造も基本的には自分たちで行っていて、音楽も好きだけど、ものづくりも好きで、自分で様々な工具を使うこともあります。

みんな平日は学校があるし住んでいるところもばらばらなので、土日の活動がメイン。

LINEで意見を出し合って、試行錯誤を頑張っています。

2022年に名古屋城でLIVE、2023年にはアスナル金山でパフォーマンスをしました。

先日は福井の祭りで、やぐらの上に乗りながらという、少し変わった演奏もありましたね。

どうして始まったの?

アーティスト/ミュージシャンの和田永さんが中心となって、あらゆる人々を巻き込みながらオーケストラを形づくっていくプロジェクト「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」(通称:ニコス)協業チームの名古屋拠点です。東京、日立、京都、秋田、海外にも拠点があります。全体で100人以上のメンバーがいます。

名古屋拠点誕生のきっかけは、以前からニコスの活動に参加していた平尾くんの熱意と、新谷くんのガッツある行動でした。

新谷:エレクトロニコス・ファンタスティコス!を見つけたときに「参加したい!」と強く思って、ブラウン管テレビを自分で改造して、演奏している動画を撮影して送ったのがきっかけです。当時は小学4年生でした。

最近の活動

ありがたいことにいろんなイベントに最近は呼んでもらえるようになってきまして、先日はOgaki Mini Maker Faireで出展をさせてもらいました。

来てくれたお客さんたちに、僕たちの音楽を体験してもらい、すごく驚いたり楽しんだりしてもらえて、とても良い時間を過ごせました。

音楽に興味を持ってくれたり、メンバーになってくれたりする人もいて、とても嬉しかったです。

ちなみにメンバーはいつでも募集しています!

楽器紹介!

新谷:僕の楽器は「テレナンデス」

ブラウン管テレビをギターに改造したもので、画面から出ている静電気を専用のピックで読み込むと、音が鳴る仕組みです。画面の模様が変われば音が変わるという、実は簡単な仕組みではあります。でも、弦の部分がコントローラになっていて、押すと画面が変わるようにプログラミングされていて、その辺りがちょっとだけ複雑ですね。実はブラウン管テレビにもこだわりがあって、この機種の音が一番良いなんて言われてます。

渡部:僕の楽器は「バーコードベース」

木の板にバーコードを貼って、それをバーコードリーダーで読み込むと音がなる仕組みです。テレナンデスと仕組みは同じですね。でも特にプログラミングとかもされていなくて、さらに単純な仕組みです。見た目は大きいですが、実は軽いです。

平尾:僕の楽器は「扇風琴」

羽根の部分を、穴の空いた円盤に組み替えた変わった扇風機です。羽根の後ろから光を出して、扇風機を回します。羽根から漏れる光を読み込んで音がなる仕組みです。光の点滅を音に変換しています。ボタンを押している間は読み込んでいて、演奏する曲によって羽根の交換をしなくちゃいけない、少し手のかかる楽器です。交換用の羽根は8枚あって、自分たちで製作しています。

上田:僕の楽器は「非常カンチキ」

棒を当てるとジリジリとなる簡単な仕組みで、どうしても取り入れたくてヤフオクでボタンを買いました。いわゆるパーカッション、バンドでいうとドラムのような立ち位置で、演奏に入っています。

それぞれの担当楽器はできるできないというよりも、どれをやりたいかを話しているうちに、自然と決まっていきました。未経験でも簡単に始めることができます。

なぜ古家電?

僕たちはそもそも古家電が見たことない世代で、おじいちゃんの家にかろうじてブラウン管を見たことがあったり、古い扇風機を見たことがあったりするぐらいでした。それでも、各々が、例えばジャンク品を触るのが好きなど、何かしらで古家電に興味関心を持っていて、今はみんな愛着を持っています。

平尾:僕の家は家電まみれです。

新谷:古家電には最近のデジタル家電では感じられない魅力がたくさんあって、なんとかして動かしたアナログの魅力をみんなに感じて欲しいと思っています。

どうやって作っている?

実は、物によっては一から自分たちで作っているものもあります。エレクトロニコス・ファンタスティコス!の他拠点のメンバーから作り方を教わって、加工やアレンジを自分たちでしています。扇風琴がまさにそれですね。テレナンデスはプログラミングなど、高度な技術が必要になるので、作ってもらいました。

製造場所は今日取材に来てもらっているドローン屋内練習場(FREIHEIT)や、各々の自宅で作っていたり、練習もそうだったりします。

実はみんな同じ愛知県でも家は離れていて、練習で音を合わせる時間は貴重な時間です。

想いを教えてください!

上田:古家電にできることを追い求めています。何時間もかけて出したかった音を出せた時は、本当に嬉しい。手探りしている感がとてもやりがいがあります。

渡部:音楽も工作も好きで、初めてこの活動を見た時に衝撃を受けたのを覚えています。同じ衝撃とか感動を、もっといろんな人に感じて欲しくて、試行錯誤を頑張っています。

平尾:機械を改造するのも音楽も好き。自分にとって最高の環境がここにあるので、とても楽しく活動しています。

新谷:みんなと同じ気持ちですね。さらに、やっぱり古家電でしか感じられない魅力をみんなに伝えられるのがこの活動と思っているので、そこにやりがいを感じています。

teeNsにメッセージ

上田:世代と国籍とか、全く関係なく楽しめるのが魅力で、いろんな人と関わることができます。誰もやっていないことをみんなで試行錯誤する面白さは格別ですね。一緒にやってみませんか!

平尾:音楽が好きじゃなくても、どんな人でも楽しめるのが魅力的で、とにかく一度、僕たちの楽器に触って欲しい。一回見てもらって触ってもらうと、この楽器たちの魅力にすぐ気付けるはずです!

渡部:メンバーずっと募集しています!楽器がそんなにできなかった僕でも、演奏会を重ねるうちに、弾けるようになりました。演奏会とかお祭りとか、来てくれた人とその場を盛り上げる感動を一緒に味わって欲しい。まずはチャレンジ、これが大事です!

新谷:アナログの魅力に触れて欲しいなって、僕は思います。そこから、家電が楽器になる面白さや、演奏の楽しさ、音を求める面白さに一緒に触れて欲しいですね。日々試行錯誤で、視野が色んな意味で広がると思います。いつでも見学とか受け付けてるので、気軽に遊びにきてください!