みなさんは鵜飼って知っていますか?
鵜飼は現在全国11箇所で行われている伝統漁法の1つ。鮎やうなぎなどの多様な川魚が獲れるそう。
実は木曽川鵜飼で獲れる魚は数が少なく、広く行き渡らない貴重なものだそう。
ここの鵜飼は1300年前から行われており、後継者不足に悩まされながらも、
今では多くの観覧者が訪れる観光名所となっています。
今回は木曽川鵜飼、昼鵜飼のお手軽観覧コースでお出かけ!
鈴木「テレビで“鵜飼“という名前を聞いたことがある程度だったので、いろいろ調べると初めて知ることばかりでした!普通の漁を見たことすらないので、鳥を使った漁がどんなものか、全然想像がつかないです。」
老平「鵜がどんな風に魚を取ってくるのか、鵜匠がどうやって鵜を操るのか、どうやって魚を吐かせるのか、知らないことがいっぱいあるので、いろいろ聞いてみたいです!」
時間になると船の横へ。
そこで鵜飼の見どころや鵜の特徴など、この後の鵜飼観覧がより楽しくなるお話を、直接鵜匠から聞くことができます!まさにおもてなし。
鵜匠の帽子は麻、衣装は綿でできているとか、鵜が実は海鳥だとか。
木曽川の鵜は茨城県日立市から来ていて、引退した後もお世話をして、一生可愛がるという話には驚きました。
隣で鵜が大人しくしていたのが、普段から愛されている証拠かもしれませんね。
老平「鵜が魚を吐き出すのは、鵜本来の習性なのにびっくりしました!首紐の縛り加減も緩めにしていて、その縛り方や加減自体が鵜匠の技術の1つと聞いた時に、鵜飼の見方がかなり変わるすてきなお話でしたね。」
鈴木「鵜匠さんの技術といえば、鵜飼は10羽の鵜を同時に操ると聞いてとても驚きました!この後は鵜匠さんの手捌きに注目したいなと思います。ちなみに相性の良い鵜同士でカゴに入っているらしく、鵜にも相性があるんだなと思いました!私は衣装の独特さにも興味があって、伝統ある衣装をただ着ているだけではなく、全てに今も実用的な意味があって、そこが素敵だなと感じました。」
老平「確かに、ただ伝統を守るためだけでなく、全部に意味があるからこそ残っているんですね。」
見どころをきっちり覚えたらいよいよ乗船!
屋形船に乗り込んで船頭さんの案内を聞きながら、初夏の木曽川を登っていきます。
鵜飼観覧は上流から下流に向かって船を走らせて行います。
昼鵜飼は見晴らしの良さと、篝火がないからこその距離感が特徴で、かなりの近さで見ることができます!
さらに鵜匠さんや船頭さんからいろんな豆知識が聞けるかも!?
鈴木「鵜船がすごく近くて迫力がありましたね!鵜匠さんの手際の良さが間近で見られて、見入りました。他のお客さんからも歓声がいっぱいあがっていて、私も思わず声がでちゃいました。」
老平「僕もです!賢いって声も聞こえましたね。鵜匠さんの言うことをちゃんと聞いていて僕も賢いと思いました!でもあとで、鵜飼の鵜になるのに早くて半年、一生かかる子もいると聞いて、人間と同じいろいろな性格があって、みんな頑張っているんだなと感動しました。そういえば鵜匠さんや船頭さんから、鵜が語源の言葉をいろいろ聞けたのは嬉しくて、今度友達に自慢しようと思いました。」
鈴木「うなぎとかうがいとか、いろんな言葉やことわざがあって、鵜が昔から身近な存在だったんだなって感じましたね!」
鵜飼観覧の後は木曽川をぐるっと遊覧。
普段見ることができない川からの景色、感じることのない川の風、
眼前には犬山城が佇んでいます。
この日は青空が広がっていて、普段見ることない角度の犬山城はより一層雄大でした。
鈴木「犬山城を川から見ることは普段絶対になくて、すごく綺麗で感動しました!とてもよく晴れていて、暑さが心配でしたが、屋根があって風も気持ちよくて、とても快適でしたね。」
老平「本当に涼しくて快適でしたね。揺れも心配でしたが、海みたいに波がないからとても穏やかで、船酔いになることもなさそうでした!屋形船を貸し切りできたり、食事の持ち込みもできたりすると聞いたので、食事やお酒を持ち寄って乗るのも楽しそうですよね。」
鈴木「楽しそうです!あえて暑い日に乗って、涼しい風を感じるのもきっと気持ち良いだろうと思いますね。8月は期間限定で花火が見られるとも聞いたので、私は8月の夜にまた来たいなと思いました!」
老平「それも幻想的でとても素敵ですね!」
さて30分ほどの鵜飼遊覧があっという間に終わり、下船です。
今回は特別に鵜匠の稲山琴美さんにインタビューをさせていただきました!
稲山さんは木曽川鵜飼で初の女性鵜匠になられた方で、鵜匠になって12年だそう。
老平さんも鈴木さんももちろん鵜匠さんとお話しするのは初めて!
貴重な機会ということで質問が止まらなかったです。
お忙しい中ありがとうございました!一部抜粋でお届けします。
老平「鵜に声をかけていたのは潜らせる合図ですか?」
稲山「潜らせる合図というよりは、頑張っておいで!っていう合図ですね。浅瀬で声を出して、いけるよ!と鼓舞しています。普段からやっていて、染みついた連携ですね。」
老平「だいたい何匹ぐらい咥えられるんですか?」
稲山「鵜や鮎の大きさによるけれど、大体7-8匹ぐらいですね。でも普段は1匹捕まえたら吐かせます。鵜の喉に入った時点で消化が始まっちゃうんですよ。実は喉に入った時点でシメた状態になってるんです!」
老平「鵜が呑んだタイミングって分かるんですか?」
稲山「鵜が呑む時の仕草があるんです。魚を咥えた後に上に放り投げて飲み直す。でも首紐で呑めないからこれをずっとするんです。そこで、『あ、呑んでるな』ってなって吐かせてます。ちなみに首紐は麻でできていて、水に入るとふわふわになります。鵜の首元も緩い締め加減になっているので、痛くないようになっています!本当に小さな魚は呑んじゃってますね。」
鈴木「なんで鵜匠になろうと思ったんですか?」
稲山「動物が好きで、イルカショーのお姉さんとか、動物に関わる仕事がしたかった。仕事を探している時に、たまたま鵜匠を募集しているのを見かけて応募したら採用されました!噛まれることもあって躾は本当に大変ですが、動物が好きだから可愛くて仕方がないですね。」
老平「東海地方初の女性鵜匠でしたよね?後輩とかはいらっしゃいますか?」
稲山「はい、先に京都宇治川で2人いたんですけど、東海地方では私が初です。それまでは親方が女性は断っていたみたいですけど、宇治川に女性が入ったのをきっかけに変わったみたいです笑 後輩はいないですね、男性も。」
老平「何年続けられてるんですか?鵜匠に必要なスキルとかありますか?」
稲山「12年です。まだまだ一人前とは言えないですね。やる気と、人と動物が好きなこと、これさえあればなれます!あ、でも虫があまりにも苦手だと厳しいかもしれません。川の上は本当に虫が多いです笑」
鈴木「鵜匠をしていて嬉しかったことは?」
稲山「初めて世話をした鵜と初めて鮎を獲ったときですね。本当に嬉しかったです!でもあまりの小ささに親方に、『目に入れても痛くない鮎だな』って言われちゃいました笑 目に入れても痛くないほど可愛いとかけてて変な嫌味でしたね笑」
老平「パートナー的な鵜がいるんですか?」
稲山「はい、います!鵜匠のおもてなしの時に隣にいた子達ですね。あの子たちは11年ぐらいずっと一緒にいて、1から世話しました。鵜は野生の生き物なので、なかなか躾が大変です。だいたい2-3ヶ月ぐらいでカゴに入るようになりますね。カゴから出す時とかにガブっときますね笑 実はクチバシの内側に歯の代わりになるようなものがあってなかなか痛いんです。」
鈴木「鵜とはどのようにコミュニケーションを取ってますか?」
稲山「仲の良い鵜同士では首を合わせて『あうぉー』って感じで触れ合います。それを真似して、首を撫でながら鳴き真似をしてあげると喜んでくれますね!」
老平「やっぱり成り手不足などの問題はありますか?」
稲山「もちろんありますが、それよりも道具不足の方が深刻ではありますね。鵜を入れるカゴとかは職人さんに作ってもらってます。日々使う物なので必要で日々痛みますけど、そんなに買ってあげられるようなものではない。全国の鵜飼が集まる鵜飼サミットがあって、そこでそんな悩みなどを共有して相談しています。」
鈴木「鵜匠の1日はどんなスケジュールですか?」
稲山「私たち鵜匠は犬山市の職員、観光協会の職員などが鵜匠を務めているので、普通に8時30分に出勤です。他の鵜飼とは違って鵜とともに生活しているわけではないのが特徴です。午前中は鵜の世話や道具の製作や修繕、昼食の後に昼鵜飼です。その後1回勤務開放があります。夜鵜飼が遅くまであるので、就業時間の調整ですね。戻ってきて夜鵜飼っていう流れです。私は今0歳の子供がいるので、昼のみの勤務って形です。『3歳になるまで残業しません!』って言ってあります笑 子供の関係で急に休むとかも対応してくれるので、子育て中の親にも優しい職場です。」
鈴木「何か読者に伝えたいこととかありますか?」
稲山「今回参加してもらった昼鵜飼も良いけれど、夜がやっぱり幻想的で見応えバツグンなのでぜひ見て欲しい!食事付きプランのお弁当も美味しいし、8月1日から10日は期間限定で花火が見られる!この時期の夜の食事付きが1番ですので、ぜひみなさんに見て欲しいです!」
犬山の夏から秋にかけての風物詩「木曽川鵜飼」
伝統と鵜匠たちの暖かい人柄に触れられる、とても情緒溢れる時間を過ごせました。
さらに川の風や自然の雄大さにも触れられて、短い時間だけど犬山をギュッと感じられるアクティビティでした!
今回は昼鵜飼でしたが、やはり夜の方が美しくておすすめだそう。
さらに8月には期間限定で花火も見られるそうなので、ぜひ夏のお出かけの1つに木曽川鵜飼を検討してみてはいかがでしょうか。
老平「今まで鵜飼には“魚を獲らせて吐かせる“というイメージしかなくて、ほとんどの人がそんなイメージだと思います。でも実際は鵜の習性だったり、仕事のパートナーとしてすごく愛情を注いでいたりと、とても鵜飼のイメージが変わる濃い時間でしたね。鈴木さんはどうでしたか?」
鈴木「私も普段体験することのない時間が過ごせたので、とても貴重な時間になりました!20代でなかなか経験することのないものだけれど、普段と違う時間を過ごしたいと思った人にはとてもおすすめですね!」
老平「そうですね、いろんな人に体験して欲しいけれど、ぜひ20代とか、若い人にこそ、1度体験して欲しいですね!」
さて、話が変わりまして、4月に特集したトルコランプができあがりました!
お二人とも満足のいく仕上がりとのこと。
とても綺麗な仕上がりですね!
気になる方は前回記事をご覧ください。
老平「製作は慣れない作業で大変でしたが、達成感があります!ところどころもっとこうしたかった!と感じているので、また挑戦してみたいと思ってます!鈴木さんはとても気に入ってると言ってましたね?」
鈴木「はい!オレンジとかを使って暖色系に仕上げたんですが、電気をつけた時の綺麗さに驚きました!デスクに置いて癒しにしています!」